市販されてる「麻の実」から大麻を育てても意味ないよって話。

最近、有名人が大麻取締法でつかまったすぐ後に、京都で「鳥の餌の麻の実」から大麻を栽培したとして逮捕されたニュースがあった。

http://mainichi.jp/articles/20161101/k00/00e/040/191000c

するとその翌日くらいに、ロケットニュースが下記記事を公開。

【大麻栽培】鳥の餌「麻の実」を発芽させて逮捕された京都の男についてドラッグ事情通に話を聞いてみた

このロケットニュースには、運営者の中に大麻好きのライターがいるのか、割と大麻(ヘンプ・マリファナ)について肯定的な記事を書いてきていることは知っていた。大麻事情通の「ボブ麻亜礼」とライターの問答形式をとっており、オモシロおかしく、かつ誰にでも読みやすい文体で書かれて、いつも拝読させていただいてるんですよ。

だけれども、今回の「鳥の餌の麻の実から大麻栽培すること」について、大事なことが書かれていないので、すこしヘンプ好きの観点から補足させてもらいます。

市販の麻の実から大麻を栽培して吸ってもほぼ意味ないよ!だから真似するのはバカバカしいです。

ロケットニュースの記事書かれている通り、国内で流通している種(殻付き)は基本的に加熱処理され発芽できないものしか流通していないはずですので、鳥の餌の麻の種子が発芽したのは奇跡に近いことかもしれません。(運が良いのか悪いのか…)

ただし、鳥の餌になるような麻の実ってのは、現状ほとんどが中国産なんですね。で、その中国で栽培される大麻ってのは、基本的には産業用大麻(ヘンプ)で、THC(陶酔性のある化学物質)の濃度が極端に低い品種のみしか栽培されてないんです。(中国は麻薬に対してめちゃくちゃ厳しいからね。規制ばっちり。)
日本の大麻の品種・世界の大麻の品種を参照ください。

仮に中国産でないとしても、基本的に鳥の餌用で市販されている「麻の実」は産業用ヘンプ品種であることがほとんど。(なぜなら各国で大麻栽培についての厳しい規制があるから。産業用登録されているTHCが低い品種のみが許可されています。)

上を理解していただければ自ずと分かるんですが、頑張って「鳥の餌の麻の実」を発芽させ、うまく栽培することができたとしても、その大麻は産業用大麻・・・つまりTHCがほとんど含まれていないということになります。産業用大麻はTHCが含まれていても0.3%未満くらいなもの。

京都で捕まった人の鳥の餌の麻の実を発芽させたのが大麻喫煙を目的とするものだったなら、非常におバカさんなのです。

なお、THC含有量の低い産業用大麻であっても、自家播種を何世代にも続けているとTHC濃度が上がることはあるようです。葉っぱの色が紫がかっていて「むらさきっちょ」とか栃木では言われていたらしいですね。(ちなみに、日本のとある地域の伝統用の大麻は、栃木県のTHCを含まない品種を何十年も前に分けてもらい、現在まで自家播種をつづけていてるが、THC含有量は低いままで特に変化が起きていないらしい。なお地域行政が毎年THCを検査しているとのこと。)

もしも「鳥の餌の麻の実(産業用大麻)」から、ハイクオリティーの嗜好用マリファナを作りたいのであれば、加熱処理された種子から発芽するものを探し、しかも雌株と雄株を両方を見つけ出し、何世代も交配を行う必要がありそうです。
さらに、中国で栽培されているのは、背丈が2m~3mまで育つような産業用大麻です。当然のことながら室内栽培に適した品種ではありません。(背丈が低い産業用ヘンプ品種もありますが、こちらの場合はヨーロッパ産の種子です。)常に成長点を切ったりして背丈が高くならないように対応するとか、また、HIDランプを炊き続ける(電気代が半端ではないらしい)とか、とにかく涙ぐましい努力が必要になります。それでも確実に高THCの大麻が作れるとは限りません。
逮捕され生活が破壊される危険性を持ってして、ここまでやりますか!?

あと、栃木などでは産業用ヘンプの国産品種である「とちぎしろ」が栽培されていますが、こちらもTHCはほとんど含まれていませんので、盗んだりしてもマリファナのような薬効はありませんので、どうかそんな農家さん泣かせのことは控えましょう。(窃盗ですし、被害者ありの犯罪ですし。)

結論:嗜好目的や自己治療のために大麻栽培を考えていたとしても、「鳥の餌の麻の実」=「産業用ヘンプの種子」を発芽・栽培させるのはやめたほうが良い!意味なし!

こんなので捕まって名前が全国に轟くとか本当にバカバカしい!一生ネットに名前が残るんですよ。

終わり。

※蛇足ではありますが、ニュース本文には「新芽を摘み取って~」とありますが、これだと葉っぱを喫煙しているような表現ですが、基本的には成熟した花穂刈り取り、乾燥させる必要があります。(乾燥時にTHCAが脱炭酸でTHCに。要はTHC濃度が上がります。)

※あと、今回の事件は栽培についてのある程度の知識と、周到な用意がされていたようなので、実際のところ、誰かしらに譲り受けたインドアグローの種子だったのではないかと睨んでいます。種提供者を庇うために「市販の鳥の餌」と言っているのでは?真相はわかりませんが。

“市販されてる「麻の実」から大麻を育てても意味ないよって話。” への2件の返信

  1. 30年以上に、成りますか?北海道の山中、ガイドさんが指さをさし、はーい!皆さん、内地からお越し頂いた方々は御目に、した方は無いと思いますが!こちらが、・・・大麻草、白い花が可愛い!
    ですが、手に触れ無い様お願いします、特に飛行機をご利用の方は注意してくださいね? と案内された記憶が?

    1. コメントありがとうございます。
      野生のものをご覧になったことがあるのですね。貴重な体験かと思われます。

      北海道については、屯田兵の開拓時に盛んに大麻栽培が推奨されていたようです。
      参考リンク http://www.hokkaido-hemp.net/history.html

      それらが野生化というか、生命力が強いため自然繁殖しているようで、北海道では毎年数十万~百万本程度を除去しているということです。
      麻幹や繊維は立派なバイオマスで商品化することもできるので、なんだか勿体無い気もします。
      参考リンク http://www.taimasou.jp/index.php?QBlog-20170815-1

      なお、大麻草は雄株と雌株がありまして、雌株は花っぽくないので、雄の花なのでは。
      下記、厚生労働省HPよりですが、記憶と相違ありませんでしょうか。

      いずれにしましても、産業用ヘンプは北海道~沖縄まで栽培可能な生命力ある植物なので、うまく利用しない手はないと思うのです。

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