ヘンプ由来のCBDオイルはどの部位からを抽出しているか問題について

先日、当ブログに下記のような質問をいただきました。

成熟した大麻草の茎が、大麻の取締法の中での大麻に含まれないそうですが、樹脂がそれに含まれるそうです。

成熟した大麻草の茎に樹脂は存在しますか?また、そこに、カンナビジオール、カンナビオールが、どの程度存在しますか?

ご回答宜しくお願い致します。

まず、この質問は前提としていわゆるCBDオイル製品が、日本国内で流通していることについて、大麻取締法との兼ね合いについての質問かと思われます。要は、CBD(カンナビジオール)= 茎の樹脂? = 違法?になるのではないのか?ということです。

また、この質問が指摘しているのは、茎にどれだけのCBDが含まれているのか、そもそも本当は茎じゃない部分からCBD抽出しているのではないのか、という疑問かと思われます。

とくに2つ目の茎に含まれるCBDの量については、以前私も気になって一度調べてみたのですが、はっきりとした答えは見つかりませんでした。

今回はこのあたりについて再リサーチするとともにまとめることにしてみました。

※カンナビオールとはCBN(カンナビノール)の誤記かと思われますが、CBNについてはあまりにも情報が少ないために今回はすみませんが割愛します。

CBD(カンナビジオール)= 茎の樹脂? = 違法? なのか?

こっちは本題では無いのですが、まずは大麻取締法を見てみましょう。

第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

この「樹脂は除く」に着目したご質問だったと思われます。この樹脂は通常ハシシュやチャラスと呼ばれる大麻樹脂を指しているのですが、茎から抽出されるCBDも樹脂に当たるのか?ということですね。

まず、CBDをはじめとしたカンナビノイド自体は脂溶性ではありますが、カンナビノイドそのものは「樹脂」ではありません。大体のCBDメーカーは麻の実オイルやオリーブオイルでCBDを抽出していると説明しています(もしくはその後に単離したCBDパウダーを販売)。つまり、樹脂を抽出しているのではなく、あくまで成分を抽出しているのですよ〜と言うことです。

なお、大麻の茎(繊維も麻幹も)は所持も使用(?)も合法ですので、そこに含まれているだろう成分を規制するのは無理があるということです。実際、靭皮(繊維)がついたままの麻幹(ヘンプの茎)も国内では一部流通もしていて、そこに含まれる油分や成分を「樹脂」として規制できるのか?ということになります。どう考えても茎に含まれるCBDなどの成分を「樹脂」と認定し規制するのは難しいと思われますし、現にCBDの国内流通は正規に輸入され容認されている状況です。

ヘンプ由来のCBDは本当に茎から抽出しているのか?また茎に含まれるCBDの量はどのくらいなのか?

それでは、本題です。先に結論から言っておくと、大麻草(産業用ヘンプ)の茎だけに含まれるCBDの量(パーセンテージ)の情報は見つかりませんでした

あまりにも「茎に含まれるCBDの量」についての情報が少なく、調べ上げることはできなかったのですが、できればこのブログの読者さんにも色々と調べてもらいたいというのが本音です。stalk(茎)やstem(枝)とCBDとかで調べて下さい。また、以下は分からないなりに調べた結果などをまとめました。

産業用ヘンプにCBDはどれくらい含まれるのか?

数年前になりますが、大麻栽培を行っていた某鳥取の企業(社長逮捕)と、北海道のとある企業の関係者らがおっしゃっていたのは、国内の産業用ヘンプの栽培品種(とちぎしろ)の茎からは、ほとんどCBDもTHCも検出されなかったということでした。(毎年厚生労働省にも検査されていたようです。)

その一方で、ヨーロッパ認可済みの産業用ヘンプ種子のカタログなどを見ると、CBDリッチな品種の一覧を確認することができます。以下でご確認ください。ちなみにパーセンテージは、ヘンプ乾燥重量に対するCBDの含有量です。

http://www.ihempfarms.com/DS_Futura75
一覧 http://www.ihempfarms.com/PS_FlowersCbdProduction
http://www.konopko.si/files/file/sorte/Datasheet%20Futura%2075%20(FR).pdf

また、Googleパテント(特許情報)で、とあるCBDの抽出・単離についてのパテントを確認すると、「産業用ヘンプ原料は通常、乾燥物質の重量で5%未満、さらには2%未満のCBD含量を有する。産業用ヘンプ廃棄物の場合、CBD含量は乾物重量の0.5%未満、または0.3%未満である。」と言った記述があります。https://patents.google.com/patent/US9655936

※ただし、この廃棄物が指す部分がどこか詳細不明(茎なのか?)。この計算でいえば、10kgの産業用ヘンプ原料(乾燥重量)があれば、500g~200gのCBDを取ることができます。廃棄物では50g〜30g。1g=1000mg(cbdオイルに記載されている単位)で換算すると、結構な量が抽出できますね。

茎にCBDが含まれているかどうか?

ちなみに、例えばプロジェクトCBD(CBDの普及を推し進めた団体)の創始者であるマーティンさんはCBDはヘンプの茎にはほとんど含まれない(含まれていたとしても極微量)としています。権威や影響力のある人かもしれませんが、成分検査を行って出した結論なのかどうかは不明です。(CBDリッチな産業用ヘンプで検査すると違った結論がでるのかも。)

一方で、大麻の成分分析専門企業「MCR Labs」の「茎にどのような物質が含まれているか?」という記事では、幾つかの実験でマリファナの茎(枝)のみの成分分析を行った結果、茎にもカンナビノイド(マリファナなのでTHC)が含まれているという実験結果を公表しています。つまり、CBDリッチとされる産業用ヘンプの茎であれば、同様の結果がありうると推測されます。

3つの試料で試したみたいです。枝のみで最大9.2%のTHCが検出された模様。

もはや、実際にヘンプの茎のみから抽出しているか否かというのは、CBD原料メーカーしか把握していないのかもしれません。そうなると、そのメーカーが信頼できるかどうかがポイントになりそうです。

実際に茎からCBDを抽出している動画とか公開しているCBDメーカー、無いですかねぇ。。。

CBDにまつわる法規制が複雑。

一般的に考えてCBDは、ヘンプの茎や枝だけよりも、種子を含む花穂の部分に多くが含まれているだろうし、経済的かつ生産性の高い方法は後者のはずです。それなのに、どうして「茎」のみで抽出していたり、もしくはそのような非生産的な方法もしくはエクスキューズが必要になったのか?というところも考える必要があると思われます。

これはひとえに各国のヘンプ・マリファナについての複雑な法規制が原因と思われます。

日本では産業用ヘンプの茎や繊維は輸出入OKでも花穂はダメ。アメリカでは(連邦法と州法とが複雑)でグレーゾーンであるといえます。詳しくはleaflyのCBDについてのまとめ記事で確認することができます。

(グレーゾーン)って何やねんって感じですが、ここらへんは日本と同じですね。「成熟した産業用茎に含まれる成分」なので規制はできないけれど、、、という感じです。

ただし、単離したCBDはエピディオレックスという「てんかん薬」として正式にアメリカのFDAに認可されましたので、このあたりのDEAによる規制物質のレベルを下げる必要があるようで、今後は上記の違法・合法という枠組みは変更されることになると思われます。

CBDは安全性の高いカンナビノイド。また、産業用ヘンプの産業的価値を押し上げる有望なバイプロダクト。

個人的には、産業用ヘンプの、靭皮→繊維原料、種子→食料、木質部→バイオマス(産業資材)と多用途に使える点に非常に魅力を感じています。そこにサプリメントや医薬品の原料となる「CBD」が加わることで、ヘンプの作物としての価値と換金性が高まり、世界中でヘンプの栽培が後押しされることとなります。結果的に、より永続可能な農業や環境を残せることになるのでは、と考えます。

CBDはヘンプの未来を支える重要なファクターになるので、茎からCBDを抽出していようとしていまいと、とりあえずCBDと産業用ヘンプについての規制は撤廃してほしい。

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