てんかんの犬へのCBDオイル投与の症例報告(日本の獣医大学による論文)

CBD(カンナビジオール)は産業用ヘンプ(大麻草)に含まれる陶酔作用のない成分ですが、エンドカンナビノイドシステムに働き掛け、抗炎症作用や慢性疼痛、その他様々な疾病に対して有用である可能性がある成分です。

ただ、このCBDは、昨年要約アメリカでは難治性てんかん向けに医薬品として承認を得たばかりで、日本国内においては医薬品として認められていません。まだ臨床試験も始まっていない状況です。(CBDはサプリメントとして流通しています。)

人間向けのCBDの効果や選び方については、こちらにまとめてますのでご一読ください。

CBDは人間のみならず、脊椎動物であれば、結びつく受容体が存在するとされており、ペット(犬や猫)にも同様に有効である可能性が示唆されています。

そんな中、日本のヤマザキ動物看護大学が、3匹の犬にCBDオイルを与えた症例報告(論文)を発表したとの情報を見つけました!素晴らしいですね!簡単にご紹介します。

てんかんを患う犬に対するCBDオイル投与の臨床研究

◯論文は下記よりPDFでダウンロード可能(全文英語)
https://www.uco.es/ucopress/ojs/index.php/pet/article/view/11800/10795

以下、簡単に要約とまとめてみます。

調査対象と調査方法

てんかんの症状を持つ3匹の犬に、8週間にわたってCBDオイルを与えた。それぞれ、日常的にてんかん発作を起こしているオスの犬。

①3歳のラブラドール・レトリバー。体重33kg。生後6カ月頃からてんかん発作に苦しんでいる。30日に一回程度のスパンで発作が発生する。発作時は痙攣を起こす。抗てんかん薬の投与は行っていない。

②11歳のパピヨン。体重4kg。4歳のときに初めて発作を起こした。コンセーブ錠ゾニサミド)を抗てんかん薬として15mg/kg 1日2回処方している。2~3か月の間隔で発現する。発作時は失禁及び口から泡を吐く症状を伴う。

③10歳のチワワ。体重2kg。3歳のときに初めて発作を起こした。発作時は痙攣と泡を吐く症状を伴う。今年に入って2回症状が発現した。間隔はイレギュラー。抗てんかん薬の投与は行っていない。

ココナッツオイルにCBD含有ヘンプエキストラクトが含まれたフルスペクトラムCBDオイル(PetReleafというアメリカのペット用CBDブランド)を、各個体に対して空腹時に1日2回与えた。

①にはCBD0.51mg/kg/day ②にはCBD1.24-1.25mg/kg/day ③にはCBD5mg/kg/day をそれぞれ投与した。

8週間の試験期間中に2週間ごとに状態を評価した。 “てんかんの犬へのCBDオイル投与の症例報告(日本の獣医大学による論文)” の続きを読む

CBDオイルの説明書(CBDの選び方・含有量・濃度・フルスペクトラム・安全性)

CBDオイルやリキッドの購入を検討する上で、結構大事なポイントである、CBD含有量・濃度・フルスペクトラム・安全性についてなどから、CBDオイル・リキッドのメリット・デメリットの比較など、説明書的なものを書いてみました。

CBDの製品形態について

CBDは親油性(脂溶性)の成分です。その為、食用油脂に溶かしたものは「CBDオイル」として販売されています。グリセリンに溶かしたものは、「CBDリキッド」(電子タバコで吸う)として販売されていることが多いです。CBDオイルを食品に含めたCBDチョコレートや、CBDガムなどは日本でも購入することができるようで、海外ではグミなんかもありますね。飲むタイプではカプセルタイプもあります。海外ではCBDウォーターといった商品もあるようです。

CBDの含有量と濃度の関係について

CBDを買う前に、CBDの含有量とCBDの濃度について、わかりやすくしておく必要がありますね。
CBDオイルやリキッドはmlの単位で表示されていますが、例えば30mlのボトルにCBD300mgとすれば、(0.3g/ 30gで)約1%の濃度と言えます。厳密には30mlの油は27g程度となるので、1%以上ではあるのですが、便宜的に1%と表示してるメーカーが多いようです。(グリセリンは30mlだと37g程度なので、300mg/30mlのリキッドの実際の濃度は1%未満となりますね。)
CBDの含有量が多ければ、価格も高くなってきます。濃度が高くても、少量ボトルであれば、価格は抑えることができます。

CBDを買う際に濃度が高ければ良いのか問題がありますが、一番大事なのは、「どれだけのCBDを摂取したか把握できるようにしておく」ということだと考えます。1スポイトや1カプセルでどのくらいのCBDを摂取できるのか、各メーカーやブランドの説明書きを確認すると良いです。

特に、なんらかの疾病に対してのセルフケアでのCBDオイルの利用を考えている人は、どのくらいのCBDを摂取したら睡眠が良くなる、精神が安定するなど、効果(体感)とCBD摂取量の相関性を確認&メモすると良いと思います。

“CBDオイルの説明書(CBDの選び方・含有量・濃度・フルスペクトラム・安全性)” の続きを読む

cbdオイルの効果・効能・仕組みと医薬品「エピディオレックス」との違いについて

最近、CBDオイルにかなり注目しています。

というのも、CBDオイルは実際に「効く」からです。パートナーのPMSには即効性もあり、痛みや疾病に悩まされていない人にとっても、リラックスしたい時、ゆっくり寝たいとき、筋トレの後には最高のサプリメントです。

ヘンプ・大麻の可能性にはいつもワクワクさせられるのですが、CBDも調べれば調べるほど面白いと思える成分であることが分かってきました。

また、CBDを使った製薬「Epidiolex(エピディオレックス)」はついにアメリカFDAで承認され、DEAでも規制レベルが変更となり、大麻由来製薬としてアメリカ国内で処方薬として販売されることになりました。

今回は改めてCBDオイルが体に効く仕組みが非常に面白いのでまとめてみました。

CBDオイルの効果・仕組み

◯CBDは脳内大麻成分(内因性カンナビノイド)の濃度を高める!

あまりしっかりとは分かっていませんが、CBDは元来身体で作っている「内因性カンナビノイド」の濃度を高める事によって、身体の恒常性を高めているのではないか?という仮説が有力となっています。

まず、おさらいになりますが、CBD(カンナビジオール)とは、大麻に含まれるカンナビノイドと呼ばれる成分の一種です。カンナビノイドの代表格はTHC(テトラヒドロカンナビノール・陶酔性あり)とCBD(陶酔作用なし)で、この2つが最も有名です。

これらのカンナビノイドは、体内にある「カンナビノイド受容体」に結びつき、様々な効能を発揮します。

そもそも人体では「内因性カンナビノイド(AG-2やアナンダミドなど)」を自身で生み出し、自身のカンナビノイド受容体に結びついていることが分かっています。内因性カンナビノイド=体内で生成しているマリファナ成分とも言われたりします。

内因性カンナビノイドが受容体に結びつくことは、人体の常に一定であろうとする調節機能(ホメオスタシス)に関連しているのではないか、というのが今の最も有力な仮説となっています。

さて、大麻由来のカンナビノイドのTHCは、このカンナビノイド受容体に普通に結びつくことができます。そうすることで、脳細胞・神経細胞・免疫細胞など体中に働きかけることができます。(大麻を吸ってハイになる状態)

その一方、大麻由来のCBDはTHCのように直接的に受容体に結びつくことはできないようです。

ただし、体内で作られている「内因性カンナビノイド」を代謝(分解)する酵素の働きを抑えることが分かっています。また、余った内因性カンナビノイドは細胞に戻る(これを「再取り込み」と呼びます)が、その再取り込みを阻害することも分かっています。

これが意味するところは、CBD(カンナビジオール)によって、因性カンナビノイド(脳内マリファナ)の濃度が高くなることを意味します。

CBDオイルのメーカーウェブサイトなどで言われる「調節機能を整える」というのは、正直なんのことかよくわからないと思いますが、要するに、内因性カンナビノイドが体内で働きやすい環境を生み出す、ということなのです。

CBDオイルの摂取→体内のカンナビノイド濃度が高まる→心身の調整機能の向上が今現在までの研究の最先端の見解だそうです。 “cbdオイルの効果・効能・仕組みと医薬品「エピディオレックス」との違いについて” の続きを読む

米国コカ・コーラがCBD(カンナビジオール)飲料!?その背景とCBDの補足

コカ・コーラが大麻飲料を?!

コカ・コーラが、カナダの「オーロラ・カンナビス社」と大麻飲料(!?)への参入を検討しているとのニュースが報道されました。

日本では、かなりの衝撃をもってこのニュースは受け止められたようで、色々なメディアが報じています。特にハフィントンポストは簡潔にまとめられて読みやすいです。

当ブログでも紹介している大麻関連のビジネスを行っているコンステレーションブランズ・キャノピーグロースなど、またCBDについてざっくりと紹介していました。

なぜコカ・コーラがCBD飲料を検討しているのか?なぜ検討できるのか?

ハフィントンポストでは、下記のようにGWファーマシューティカルズのEpidiolexというCBD製剤が、てんかん向けでFDAに承認されたことを紹介しています。またその後には医療大麻や嗜好大麻についての言及があります。

背景にはアメリカ政府の方針転換
こうした動きの背景にはアメリカ政府の方針転換がある。
アメリカの食品医薬品局(FDA)は6月25日、大麻から抽出した成分で作った新薬を初めて承認した。難治性のてんかんの治療用にCBDを精製したもので、今秋の販売を目指している。
アメリカの一部の州では、娯楽や医療用として大麻の利用が認められているが、連邦法では禁止されているが、これまで慎重だったアメリカの医療分野での大麻の研究が広がる可能性が出てきていた。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/18/coke-cannabis_a_23530724/

大麻について詳しくないと、全然わからないですよね。医薬品として承認されたのはわかるんですが、なぜそれをコカ・コーラが販売検討しているのか?コカ・コーラがお薬売るの?連邦法で禁止されているのに販売できるの?と思ったあなたは素晴らしい!この辺りをもう少し詳しく掘ってみましょう。

アメリカ産の産業用ヘンプ由来のCBDは合法

実は、すでにCBDオイルはアメリカ国内でもサプリメントとして流通しており、(アメリカ国内の産業用ヘンプ由来のCBDに限っては原則として)規制の対象にあてはまらないんですね。産業用ヘンプに関する農業法ではTHC(酔っぱらう成分)をほとんど含まない大麻は種子や繊維向けに栽培されています。その茎から抽出されたCBDが流通しています。ヨーロッパ産の産業用ヘンプ由来のCBD製品も普通に流通しています。

マリファナ由来のCBDは大麻合法州に限っては問題なく販売できますが、連邦法では違法です。コカ・コーラはこの違法なマリファナ由来CBD飲料の検討を行っているのです、実は!

なぜなら連邦法ではいまだにマリファナ自体が規制薬物だからです!

FDAの承認からのDEAの規制見直しが視野に!

連邦法では違法なはずのマリファナ由来のCBD飲料を、なぜ米国コカ・コーラが参入検討をできるのか!?ということについて、ハフィントンポストも報じている通り、食品医薬品局(FDA)つまりアメリカの厚生労働省みたいな官庁が、マリファナ由来のCBD製剤を承認したことに加えて、麻薬取締局(DEA)がCBDの規制見直しを行う可能性が高いということがあります。 “米国コカ・コーラがCBD(カンナビジオール)飲料!?その背景とCBDの補足” の続きを読む

ヘンプ由来のCBDオイルはどの部位からを抽出しているか問題について

先日、当ブログに下記のような質問をいただきました。

成熟した大麻草の茎が、大麻の取締法の中での大麻に含まれないそうですが、樹脂がそれに含まれるそうです。

成熟した大麻草の茎に樹脂は存在しますか?また、そこに、カンナビジオール、カンナビオールが、どの程度存在しますか?

ご回答宜しくお願い致します。

まず、この質問は前提としていわゆるCBDオイル製品が、日本国内で流通していることについて、大麻取締法との兼ね合いについての質問かと思われます。要は、CBD(カンナビジオール)= 茎の樹脂? = 違法?になるのではないのか?ということです。

また、この質問が指摘しているのは、茎にどれだけのCBDが含まれているのか、そもそも本当は茎じゃない部分からCBD抽出しているのではないのか、という疑問かと思われます。

とくに2つ目の茎に含まれるCBDの量については、以前私も気になって一度調べてみたのですが、はっきりとした答えは見つかりませんでした。

今回はこのあたりについて再リサーチするとともにまとめることにしてみました。

※カンナビオールとはCBN(カンナビノール)の誤記かと思われますが、CBNについてはあまりにも情報が少ないために今回はすみませんが割愛します。

CBD(カンナビジオール)= 茎の樹脂? = 違法? なのか?

こっちは本題では無いのですが、まずは大麻取締法を見てみましょう。

第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

この「樹脂は除く」に着目したご質問だったと思われます。この樹脂は通常ハシシュやチャラスと呼ばれる大麻樹脂を指しているのですが、茎から抽出されるCBDも樹脂に当たるのか?ということですね。

まず、CBDをはじめとしたカンナビノイド自体は脂溶性ではありますが、カンナビノイドそのものは「樹脂」ではありません。大体のCBDメーカーは麻の実オイルやオリーブオイルでCBDを抽出していると説明しています(もしくはその後に単離したCBDパウダーを販売)。つまり、樹脂を抽出しているのではなく、あくまで成分を抽出しているのですよ〜と言うことです。

なお、大麻の茎(繊維も麻幹も)は所持も使用(?)も合法ですので、そこに含まれているだろう成分を規制するのは無理があるということです。実際、靭皮(繊維)がついたままの麻幹(ヘンプの茎)も国内では一部流通もしていて、そこに含まれる油分や成分を「樹脂」として規制できるのか?ということになります。どう考えても茎に含まれるCBDなどの成分を「樹脂」と認定し規制するのは難しいと思われますし、現にCBDの国内流通は正規に輸入され容認されている状況です。

ヘンプ由来のCBDは本当に茎から抽出しているのか?また茎に含まれるCBDの量はどのくらいなのか?

それでは、本題です。先に結論から言っておくと、大麻草(産業用ヘンプ)の茎だけに含まれるCBDの量(パーセンテージ)の情報は見つかりませんでした

あまりにも「茎に含まれるCBDの量」についての情報が少なく、調べ上げることはできなかったのですが、できればこのブログの読者さんにも色々と調べてもらいたいというのが本音です。stalk(茎)やstem(枝)とCBDとかで調べて下さい。また、以下は分からないなりに調べた結果などをまとめました。

産業用ヘンプにCBDはどれくらい含まれるのか?

数年前になりますが、大麻栽培を行っていた某鳥取の企業(社長逮捕)と、北海道のとある企業の関係者らがおっしゃっていたのは、国内の産業用ヘンプの栽培品種(とちぎしろ)の茎からは、ほとんどCBDもTHCも検出されなかったということでした。(毎年厚生労働省にも検査されていたようです。)

その一方で、ヨーロッパ認可済みの産業用ヘンプ種子のカタログなどを見ると、CBDリッチな品種の一覧を確認することができます。以下でご確認ください。ちなみにパーセンテージは、ヘンプ乾燥重量に対するCBDの含有量です。

http://www.ihempfarms.com/DS_Futura75
一覧 http://www.ihempfarms.com/PS_FlowersCbdProduction
http://www.konopko.si/files/file/sorte/Datasheet%20Futura%2075%20(FR).pdf

また、Googleパテント(特許情報)で、とあるCBDの抽出・単離についてのパテントを確認すると、「産業用ヘンプ原料は通常、乾燥物質の重量で5%未満、さらには2%未満のCBD含量を有する。産業用ヘンプ廃棄物の場合、CBD含量は乾物重量の0.5%未満、または0.3%未満である。」と言った記述があります。https://patents.google.com/patent/US9655936

※ただし、この廃棄物が指す部分がどこか詳細不明(茎なのか?)。この計算でいえば、10kgの産業用ヘンプ原料(乾燥重量)があれば、500g~200gのCBDを取ることができます。廃棄物では50g〜30g。1g=1000mg(cbdオイルに記載されている単位)で換算すると、結構な量が抽出できますね。 “ヘンプ由来のCBDオイルはどの部位からを抽出しているか問題について” の続きを読む