ヘンプシード(麻の実)って何?大麻・ヘンプ・マリファナとは

健康に良いオイルを生み出す「ヘンプシード」って何の種子?

最近、お昼の情報番組で「ヘンプシードオイル」が今流行りの体に良い食用油として紹介されました。ミネラルたっぷり、必須脂肪酸もたっぷりとして大絶賛。脚光を浴び始めた「ヘンプ」ですが、それが「大麻」であるとはっきりと説明していない番組ちらほらでしたね。(麻とかぼかした表現もありますね。)
今回は、この「大麻草」とはとっても人類にとって有用な植物なのですが、ヘンプって何?マリファナとの違いって?って思っている方への説明を兼ねて、改めてヘンプ・マリファナについて整理してみました。

  1. そもそも「麻」って植物は何?
  2. 大麻=ヘンプ=マリファナ?種類・品種
  3. サティバ種とHemp(ヘンプ)
  4. Hemp(ヘンプ)の食用・繊維・建材としての有用性
  5. インディカ種とMarijuana(マリファナ)
  6. Marijuana(マリファナ)の医療用途での有用性
  7. 世界各国で合法化進む「医療大麻」

そもそも「麻」って何?「麻」という植物は存在しない?「麻」とは?

まずは、多くの人が知ってるようで知ってない、「麻」という言葉について。
「麻」というと、夏の衣料や麻紐やズタ袋などなんとなく思い浮かべるかと思いますが、「麻」という植物(種類)は存在しないんです!犬や猫を「ペット」と呼び、牛や豚などを「家畜」と呼びますが、「ペット・家畜」という動物がいないことは誰もが理解していることだと思います。「ペット」「家畜」はあくまで共通の価値・役割などを指し示す「概念」ですね。
実は「麻」も、大麻や苧麻(ラミー)・亜麻(リネン)・サイザル麻など「茎や表皮などから繊維・糸が作れる植物」をざっくりまとめた言葉です。犬と猫が交配できないように、大麻(ヘンプ)と亜麻(リネン)は交配不可の全く別種の植物です。つまりは「麻」なんて植物は存在しない、「麻」は概念であるということをまずは理解ください。

大麻=ヘンプ=マリファナ? タイプ・品種のお話と人類にとっての有用性

「人類にとって高い有用性のある」大麻ですが、大麻草には大きくけて3つのタイプ(亜種)に分けられています。これらは交雑可能な同種なのですが、それぞれに特徴と活用方法に違いがあります。

無題

Wikiより引用

左から
カンナビス・サティバ
カンナビス・インディカ
カンナビス・ルデラリス
という3タイプ(亜種)に分かれています。背の高いサティバ、背が低く枝別れの多いインディカ、なんだか雑草みたいなルデラリスに分けられます。

カンナビス・サティバ(Cannabis sativa )とヘンプ(Hemp)

カンナビス・サティバ(Cannabis sativa )とは、大麻草の中でも、2m〜約4mと背が高く育つタイプです。その中でも、産業用途に使う場合においてHemp(ヘンプ)と呼びます。陶酔成分THCの含有量が少ない品種が産業用栽培を許されています。(※必ずしもすべてのサティバ種が陶酔物質THCが少ないというわけではありません。注)

ヘンプは主に繊維用・食用(種子)として栽培されています。背丈が高いため、茎から長い繊維がとれます。日本での古くから栽培されてきたのは、この背丈の高い種類の大麻で、主に繊維を得ることが主な目的で利用されてきました。日本では、コットン(綿)が主流となるまでは、多くの衣料・織物にこの大麻が使用されてきました。食用としては、七味唐辛子に入っており、日本人の多くが一度は知らず知らずのうちに口に入れています。

また、特に神道(神社)において穢を祓う超絶パワー・プラントとして古くから重要視されてきた植物でもあります。身近な例としては、神社の縄(注連縄)に使われていたり、地鎮祭なんかの儀礼行為でも大麻繊維を見つけることができます。そのため、現在でもその繊維(精麻と呼ばれる美しい繊維)用途として、栃木県を中心に栽培されてます。なお、「とちぎしろ」と呼ばれるTHC成分のほとんど生み出さない品種のみが栽培許可されています。ただし、とちぎしろという品種でなくても、日本の在来種はそもそも陶酔成分の少ない品種で、特に医療・嗜好用としてはほとんど利用されてこなかったというのが、通説となっています。

ヘンプの有用性〜衣料・食料・建材としての活用〜

ヘンプは、生命力豊かな植物で、栽培にほどんど農薬を使用しなくても育ち、また、栽培可能範囲が広いエコフレンドリーな植物として注目を浴びています。北は北海道から南は沖縄以南まで成長可能な植物です。また、綿花のように大量な水を必要とすることもありません。
その繊維は、非常に強靭かつ機能性(抗菌性や速乾性)が高く、衣料やロープなどとして、種子は食料・バイオ燃料として、また茎の木質部(オガラ)は建材(ヘンプクリート)やパーティクルボードへの利用など、捨てる部分がないと言われています。
地球環境について憂い、持続可能な農業・繊維産業を真剣に考える多くの企業や個人は、ヘンプに期待を寄せ、実際にヘンプを使用した製品を作り始めています。

 

カンナビス・インディカ(Cannabis indica)とマリファナ(Marijuana)

カンナビス・インディカとは、サティバ種よりも背丈が低く枝を多くつける品種です。陶酔成分(THC)を多く含んだ亜種となっています。マリファナとして利用されるのは、このインディカ種が多いです。日本では他の麻薬と混同認識されており、大麻を使用すると「精神に以上を起こす。」と一般的に思われていますが、日本国外では「医療用途に使用するマリファナ(医療大麻)」が、再評価・合法化や非犯罪化など、見直されてきています。そもそも、いつから大麻は違法な薬物として扱われてきたのでしょうか。

東洋医学で重宝されてきた大麻
中国最古の薬物書「神農本草経」では、大麻が長期使用しても体に害のない安全な薬草として紹介されており、また、インドのアーユルヴェーダ(伝統医療)でも薬草として扱われてきました。
実は、日本でも「印度大麻チンキ」や「印度大麻タバコ」という名前の漢方として、薬局等で普通に販売していた時期がありました。主に、喘息などに効用があるとして使用されていたようです。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/837460 110〜112ページ)

東洋の人々は経験則として、大麻が安全な薬草であると理解し、それを積極的に医療に活用してきました。しかし、1900年代に入ってからの国際的な薬物規制への潮流と、最終的には敗戦後のGHQ占領下において、「大麻取締法」が制定され、日本での大麻の医療使用・大麻栽培が基本的に禁止されることとなりました(栽培においては免許制。花穂や葉の所持・医療目的の使用・研究は禁止。茎と繊維の所持はOK)。それから現代に至るまで、日本では大麻は完全に悪いものとして扱われ、「ダメ絶対」というレッテルを貼られてきました。

大麻が身体にどのように「効く」のか、解明できたのはつい最近!
大麻が禁止された頃には、実は大麻が体に効くメカニズムがよくわかっていませんでした。1990年年代になってようやく、大麻の成分(カンナビノイド)が効くシステムが解明されたのです。ヒトの体内では、大麻の陶酔成分と同じような物質(内因性カンナビノイド)が作り出さており、また、それとに(よく、風邪や頭痛の薬で見るような鍵穴と鍵のような仕組みが人間に備わっており、その物質が判明。)海外では、カンナビノイドの研究・臨床試験が盛んに行われ、いわゆる身体的な依存性や精神的な依存性は、コーヒーなどに含まれるカフェインよりも低いことが明らかになっております。(ここらへんはいずれ詳しく書きたいと思います。)

マリファナの有用性〜医療大麻(Medical Marijuana)〜

医療用途で使用する大麻を医療大麻(medical marijuana)と呼びます。この医療大麻は、世界的に注目を浴びています。注目を浴びるポイントとしては、下記が挙げられます。

  • 根本的な治療法が確立されていない疾患への対症療法として。
  • 様々な慢性的な痛み・炎症を抑えることができる。
  • HIVや癌などにおける、悪液質(全身消耗症)などのへの療法。
  • 抗腫瘍作用・抗癌作用
  • 副作用がほとんどない。

大麻の主な作用としては、鎮痛作用(痛みを抑える)、抗炎症作用(炎症を抑える)、抗腫瘍作用、食欲増進作用(制嘔吐作用)、不眠症改善などが挙げられます。250種を超える疾患に有効とも言われています。その中には根本的な治療法が見つかっていない難病指定にされている疾患(多発性硬化症・クローン病など)も多数含まれています。
「痛み」については、いわゆる関節痛などから、モルヒネなど他の医療麻薬が効かない痛み(神経性疼痛)にまで効きます。
さらに、癌やHIVにおける全身消耗症(悪液質)にも有効とされています。食欲増進作用・制嘔吐作用により、「食事ができる」ことです。特に癌においては、体力を維持することは非常に大切です。
また最近では、皮膚癌への直接の塗布によって腫瘍が小さくなったという報告も多数あり、研究レベルでの抗腫瘍性が確認されています。(http://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/hp/cannabis-pdq#link/_26_toc)
また何より、長期的な使用において副作用が少ないことは、慢性的な痛みや症状と長い人生において付き合っていく上で、重要な要素になります。

世界中で進む医療大麻の合法化・非犯罪化

先進国では、大麻の合法化・非犯罪化の流れが時代の趨勢となりつつあります。現在、日本国内で乾燥大麻等を所持していた場合は、多くのケースで、執行猶予付きの実刑判決が下されます。譲渡・販売などしていた場合はいきなり実刑のケースが多いです。一方、海外諸国では大麻の少量の単純所持での非犯罪化が進むとともに、医療大麻の使用を認める国が増えつつあります。

青:医療大麻合法
水色:非犯罪化
ピンク:違法(だが通常罰せられることは少ない)
赤:違法
Legality_of_cannabis_for_medical_purposes2016年2月現在(参考ページ:wikipedia より。最新データはリンク先より確認お願いします。)

各国様々な背景や大麻に関する共通認識が醸成されているかなど違いはあるでしょうが、ヒトが人間らしく生きる権利(生存権)を真面目に考えている国・地域、傾向は見て取れますね。

ちなみに、日本の大塚製薬は、サティベックスという大麻製剤のアメリカでの販売権を持っていたりするんです。(もちろん日本では販売できないですが。)これから研究が進めば進むほど、上記でも述べたような、医療における大麻の活用方法や効能が明らかになってきます。
日本人は、多くの病気の患者さんを助けられるかもしれない選択肢が、奪われたままの状態であるということを考えなおすべきかと思います。(そしていつか自分が病気に罹り、大麻が必要になるかもしれないことも!)

 

以上、「麻」ってなに?から大麻・ヘンプ・マリファナの違い(分け方)についてとその将来性・有用性について整理してみました。上手に付き合って活用すると、地球環境・食料・医療など、多岐にわたって活躍する植物なのでは、と心から期待をしています。大麻のことが語ることも許されないタブーにならないように、色んな場所で大麻のこと話してください。

注 ※サティバ種でも、もともとTHCを多く含んだ品種もあります。また、交雑や品種改良等で、サティバ種でも陶酔性の高い大麻もたくさんあります。

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